焼岳 BCスキー

PENTAGON

2014年03月13日 12:44

3月10日

前日の大崩山から中の湯温泉旅館へ移動し、宿泊。
とても気持ちの良い温泉で、またスタッフの方の気配り等、とても良い宿でした。
ただ、天候が・・・

後で知ったのですが、高山市内もけっこう降ったようでしたね。

朝起きて、部屋の外を見ると小雪がパラパラ舞ってる程度。
積雪も10cmぐらいでした。
天気予報を確認すると、北陸沿岸は暴風雪のもよう。
内陸のこの辺はあまり関係無いのかな?
とかこの時は思ってました。

まぁ、通常の登山なら、この天気予報と空を見たら即行でキャンセルでしょう。
せっかく山に登るのですから、景色が見えないと気持ちよくないし、
ひどい思いをしてまで山頂を目指す気はありません。

ですが、今回は山スキー。
登山が目的では無いのです。
山を滑れればOKなので、別に曇りでも雪が降ってても関係ないのです。

美味しい朝食を頂いた後に、準備をして中の湯温泉を出発です。
メンバーは、昨日のCL、Iさんと私の2人です。
Aさんはお仕事なので前日帰って行かれました。



さて、それでは8:05
中の湯温泉旅館の裏手から歩き出しです。
今日は部屋の中でウェアを着込んで、ビーコンのアクティブチェックも済ませたのでサクッと行けます。



それにしても気温が低い、今日は寒いです。
歩き出したら暖かくなると思ったので、最初は薄着です。
早く温まれ~!!

降雪のおかげでトレースは薄いです。
でも、CL様はトレースに関係なく、登りやすいルートを楽に歩けるように歩いて行きます。
流石です。
けして速く歩く訳ではなく、足が止まらないように斜度をなるべく緩やかになるようにスキーを進めます。
結果的に、立ち止まらないので速いんですね。

樹林帯の尾根を詰めていきますが、風の猛烈な音に2人でいるのに孤独感を感じます。



うーん、厳しい天候。

中の湯から尾根を詰めるときは、最初に斜度があります。
積雪はあるのですが、斜面の中に硬い層が有り、たまに板がズルってしまったりします。
しかし、ここの斜面のおかげで私のキックターンのレベルは格段に向上しました。
もう昨日のようにずり落ちたりしません。




途中、休憩を2つ入れてりんどう平まできました。
そして、下堀沢に出ると風をさえぎるものが無いので、
その前にお昼ご飯にしてしまおうと言う事で3度目の休憩です。

さすがにこの休憩では寒くて寒く仕方なく、インナーを一枚追加しグローブも厚手のものに交換しました。
気温はかなり低かったと思います。
この日は高山市内でも最高気温が-2℃でしたので、標高2000m付近のこのあたりは何度だったのか・・・
なにより凄い風!

さて、お昼を終えて下堀沢に近づきますが…
かなりの視界不良です。
木々がなくなってくると、雪面と雲の境目もわかりません。
風も遮るものが無いので強風が吹きつけます。
GW頃は沢を詰めて山頂を目指しますが、
流石に積雪のあるこの日は沢を詰めると危険です。
沢の左の尾根を詰めて行ったのですが。。。



標高2200m付近。
先行のIさんが結構な斜度のトラバースに入りました。
私の前5メートル程です。

突然、

「パーン!!」

と音がしたと思ったら、Iさんのトレースにクラックが入って、その下の雪が沢に向かってに雪崩れていきました。
文字通り、「ゴゴゴゴゴゴ・・・」と言う音と共に。
さらに、下が切れて上側の斜面にもクラックが入り、20cmほどずれ込んできました。

私はパニック。
「さがりまーす!!」
とか言いながら鬼バック。


Iさんは落ち着いて、バックしてキックターン。
私はなんでかカメラ出して撮ってるし。。。



とっさでしたのでピンボケ&視界不良でしたので、こんな感じの写真しか残りませんでしたが・・・
雪面にクラックが入っているのが分かるでしょうか?

そのあと2人で少し戻って、木にそばで立ち止まりました。


ここでもう一度スコップテスト。
先ほどの所とはちがって、ここは割と定着してるようでうす。

先ほどの斜面はIさんも危ないかな?と思いつつ、ボトムまでの距離を考えて進んでみたそうです。
流される距離、流れる層の厚さで判断したらしいです。
「よくある事」
と、さらっと言ってましたが、私は初めて目の前で雪崩が発生するのを見たので、しばらく動揺してました。
Iさん曰く
「ホントに速い雪崩のときは音がしない。下の方で溜まるときに音がするぐらい。」
とか、言う事がツワモノ過ぎです。

どちらにしても、下堀沢出合のあたりからの風と視界不良のおかげで、
撤退ムードが出ていました。
ここでシールを剥がして滑る事にします。

CLが想定してきた滑るルートは3本。
下堀沢と、その左右の尾根のどちらかです。
中の湯には戻らずに、このまま上高地側へ滑ります。

この天候と積雪では下堀沢は危ないし楽しく無いと言うことで、尾根を行く事に。
沢の対岸の尾根へ取り付くにはちょっと高度も足りないので、こちら側の尾根を下る事にしました。

滑るとなると、気持ちを切り替えないと。。。
最初はダラダラとした平地っぽい所を行きましたが、
その後は…

いやー、尾根の藪の中がこんなに快走だとは思いませんでした。
先日の大崩山に負けない深雪。
降った直後と言うか現在進行形のパウダー。
最高です!

残念なのは、気温が低すぎてGoproが起動せず、なんにも動画が残せませんでした。

やっぱり新雪最高!
Iさんも、「こんなにいい雪は滅多に滑れない」
とご満悦です。
散々気持ちの良い斜面を滑り倒して、尾根の末端で下堀沢に出ました。



ここからは沢の斜面ははなだらかです。
とりあえず休憩します。
ここまで一気に標高を下げてきたからか、急に暑く感じます。
風も穏やかですね。



これが下堀沢。
左の尾根の上を滑ってきました。
この沢は条件を選ばないと危なくて滑れなさそうですね。

さて出発。
このまま沢沿いに行くと梓川に出ますが、渡渉が出来るかわかりませんので、少し梓川の上流側へトラバースするように沢から離れました。

梓川に出て、再びシールをつけますが。。。
シールがつかない。。。
先ほど吹雪の中でシールを剥がしたので、雪がついてしまったんですね。

こんな時の対処法としてガムテープを持ってきてます。
これで数箇所に板にシールを貼り付けてOKです。
問題なく歩けました。





すぐに橋に出たのでそれを渡り、あとは釜トンネルを目指して歩きます。

途中対岸を見ると・・・


川沿いに自分達が歩いたトレースが見えました。
なんだか嬉しいですね。
写真の上の方です。



対岸から見る下堀沢。
結構大きな沢です。






後は釜トンネルを歩いておしまいです。
トンネルを出た所で中の湯温泉旅館の事務所があるので、そこからの送迎で旅館に戻りました。

中の湯で温泉に浸かり、体を温めました。
天候は悪いし、視界不良だし、山頂には到達できてないし。。。
でも、登山としてはアレですが、スキーとしては最高でしたね!


この2日間の山行はとても勉強になりました。
色々な事を教わり、色々な事を見ました。


Pentagonはレベルが1上がった!
キックターンを覚えた。
地形の見方を覚えた。
ルートの取り方を覚えた。
雪崩の怖さを知った。
山滑走の楽しさを知った。

と言う感じでしょうか。
この山行に連れて行って頂けたIさんにはとても感謝しております。
またGW頃にでも・・・
楽しみにしてます!





おーし、次はどこを歩こうかな?



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