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2014年05月04日

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して

5月2日

私のGWが始まりました。
子供達はまだ学校に行ってるので、この平日1には私の自由日です。
と言う事で、乗鞍へスキーに行ってきました。
今回は再び関東のテレマークスキーヤー、師匠Iさんに率いて頂く事になりました。

朝7時に歩き出しとの事で、5時に自宅を出発し乗鞍高原の三本滝レストハウスを目指します。
師匠は前日夜着の車中泊でしたので、既に現地入りしてました。

着々と準備をして、ぴったり7時に歩き出しです。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


師匠Iさんです。
目の前に営業を終了したゲレンデが見えます。
今日は天気が良い!
ちなみに、バスには乗りません。
師匠がルート開拓するから歩いて登るとの事です。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


ゲレンデ上の道路は雪が無いので、板を外して横断します。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


今日は天気が良い!
と言うか、この時点では風も無かったのでとても暑かったです。

しばらく歩くと、最終リフト降り場も通過して、少し急な斜面を登り始めました。
コレがツアーコースと言う所でしょうか?
一段上がった所で休憩です。
壷足の登山者が居ましたが、雪に足が埋まってしまって大変そうでした。
乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


ここで小休止した後に、師匠が・・・
「ツアーコースを滑ってきても面白くないから、少しルートを反れるよ。
雪のつながりと地形を見たいから、樹林帯に入ろう。」
と。

そんなわけで、ツアーコースを外れて樹林帯に入ります。
方向的には、いくつかの沢を越えながら高天ヶ原へまっすぐトラバースするような感じです。
少し木が低くなってくると・・・
乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


正面に高天ヶ原、右奥に剣ヶ峯が見えてきました。
でも、来る前に見てきた地形図の記憶によると、高天ヶ原の前には大きな沢があったような・・・

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


振り返ると、前穂と吊り尾根が見えました。
カメラのレンズについた水滴で、残念な写真になってしまいましたが・・・

そして、目の前に高天ヶ原がそびえ立つ場所まで着ました。
とても気持ちのよさそうな斜面が目の前に見えますが・・・
目の前の大沢は下れなさそうです。
落差が大きすぎますね。。。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


師匠が地形を見ながら、そのまま大沢沿いに剣ヶ峯方面に足を進めて行きます。
私の技量レベルでは、この淵を歩くのもちょっと怖かったです。
まぁ、根本の原因は冬用の太板だからいけないのですが・・・
でもこれしか持ってないんですもん。

結局、しばらく登ってから振り返ると、先ほど大沢に出たあたりより少し下の位置で地形的に沢から上に登れそうな場所が見えました。
「沢を滑ったらあそこで上がればいいな~」
なんて師匠が言います。
乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


ルートが見れれば、あとは剣ヶ峯方面へ登ります。
この辺はまだ斜度も緩やかで、まっすぐまっすぐ歩けます。
右手の方には位ヶ原の山荘があり、バスで上がってきた人々が剣ヶ峯や肩の小屋方面に歩いているのが見えます。
この写真の時、10時でした。

我々はそこから大沢の入り口へ向かい、剣が峰と高天ヶ原のコルへと足を進めます。
乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


が、バスから降りてきたと思われる2名の方が我々の前を横切り、先行し始めました。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


しかし、空が綺麗です。
漆黒の青空とは、こんな感じですね、とても綺麗です。
雪も南東面は軽いフィルムクラストの状態で、表層数ミリが凍ってますが中はザラメ雪です。

しかし、標高を上げて行くと・・・

目の前のコルから剣ヶ峯へ上がる稜線には雪がついていなさそうです。
先行していた2名も、コルから板を外して登る姿が見えます。
山頂まで板を履いて登る事にこだわる師匠は、
「作戦変更しよう。」
と、剣ヶ峯の東尾根沿いに詰める事になりました。

つまり、目の前の急登を・・・

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


ここからが私の戦いでした。

尾根は風の通り道らしく、尾根の北面はカリカリに斜面が固まり、南側はザラメ雪。
そしてそれなりの斜度を斜登行、キックターンしながら登ります。
トラバースが苦手な私にとって、非常に緊張が強いられる局面になりました。
恐怖感で体が緊張し、必要以上に体力を消耗していくのが自分でよく分かります。
師匠が色々とアドバイスをしてくれるので、なんとかついて行けますが、やはりダメで途中でスキーアイゼンを装着しました。
これは一人なら即行で心が折れて、板を外して担いで歩いてますね。
スキーで滑るとなると全然問題ない斜度の斜面なのに、登るって斜登するとなるととても恐怖感が出てしまうのです。
師匠は
「板で登れる所が自分の滑れる所。」
と言います。
なるほど。

なんとか師匠のアドバイスと激励により・・・

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


12:30に山頂へ着きました。
まさに山頂まで板で登りきりました。
この山頂標の横で板を外して、写真取ってもらいました。
山頂まで板を上げられた!

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


前日、降雪があったようで鳥居にはエビの尻尾がパンパンについてます。
もし息子が居たら大喜びでバリバリはがして遊ぶでしょう。

この後、山頂でお昼ごはんを食べて休憩します。


乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


13:10
さて、それでは行きますか。
他のスキーヤーの方は肩の小屋方面に下りて行きますが、
我々は山頂の南側の斜面にドロップイン!
とりあえずは狙っていた剣ヶ峯南東斜面の程よい位置へ移動します。
さっきまでトラバースをプルプルしながら登っていたのに、滑るとなると全く別です。
恐怖感などまったく無いんです。何でだろう・・・?

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


とりあえずの一本!
師匠と私のシュプールのみ!
最高ですね!

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


その後も交互に滑りながら降りてきます。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


まさにノートレース!
2本のシュプールが気持ちよいです!

ここでさらに狙っていた大沢に入り込みます。
まさにココこそノートレース、ノートラック!

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


こんなに気持ちの良い軌跡を残して沢を滑り降りてきます。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


山頂から標高差にして800mほど降りてきました。
ここまでほぼ二人のシュプールのみ残して降りて来れました。

さて、ここは登りで見た地形でギリギリ沢淵を登れそうな位置です。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


なんとか左側の斜面の傾斜が緩くはなってますが・・・

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


ここを登り返します。
さすがにシールでは無理なので、板を担いで壷足です。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


師匠先行。
15分ほどで登り返せるはずです。
雪はザクザクで埋まりこみますが、なんとかキックステップで行ける範囲です。
ですが、これ以上斜度があると膝が当たり登れなかったと思います。
実際15分ほどで登り返しました。

上り返した時点でスキーは十分に堪能したので、後は自分たちのトレースを追ってツアーコースに戻る事に専念します。
まだ沢を数本越えなければならないですし。
しかし、登りの時も気になったのですが、越えて来た沢の一本にシュプールが残っていました。
この人はどこまでこの沢をどこまで降りたのでしょうか・・・
ちょうど良く上がれる場所があるのかな・・・?

ツアーコースに戻った場所は、ホントに朝ツアーコースを外れた所から20mほど上の位置でした。
師匠の地形の読み、ハンパ無いです。
コースに戻ったところで休憩し、それからまた下りました。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


ゲレンデ最上部。
もう少しで雪は無くなりそうです。

乗鞍でスキー 三本滝からツアーコースを外して


最後、リフト乗り場まで一気に滑って終了です。

無事に戻れて師匠と握手。

Mission complete!!

今回の山行では、山頂剣ヶ峯までスキーで登りきりました。
前回の御岳では単独でもあったため、斜登の恐怖に耐え切れずに板を脱いで途中からアイゼン・ピッケルで登りましたが、
今回は師匠の教えと心の支えがあったおかげでなんとか山頂まで板を脱がずに登りきれました。
条件的には御岳の時より難しかったと思います。
正直なところ、「板でもココまで登れるんだ。」と言う感想です。
緊張で体が強張り、登攀に使う体力以上に体に力が入るので、最後の最後はかなりきつい登りになってしまいましたが、達成感はかなりあります。
さらに師匠のノートラック・ノートレース論に順ずる二人だけのシュプールを残して来れた事が最高に気持ちよかったです。

滑った後は乗鞍高原温泉へ。
なんだか建物が新しく綺麗になってリニューアルされていました。
乳白色・硫黄の香りで気持ちの良い温泉でした。
立ち寄るのは10年振りぐらいかな・・・?
しかし、リニューアルした風呂の露天風呂から乗鞍の剣ヶ峯が見えるのはとても良いですね!
滑ってきた沢のラインが見えるので、気分よく風呂に入れました。

今回のルートですが、あくまで記憶とログを見た手書きですので、実際とは多少異なります。
樹林帯の移動・沢越えは特に経験を要すると思うので、参考程度にしてください。
私単独ではもちろんこんなルートには入り込めません。
さて、次はどこを歩こうかな?



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