2015年08月26日
【新穂高から日本海へ】 8日目 日本アルプス横断の旅
8月15日 晴れ 後 曇
朝3時に目覚めました。
今日の予定では3:30起床だったのですが、やっぱり色々気にして早めにおきてしまいました。
もうパッキングは出来ている。
服を着て準備すればすぐに出れます。
予定の3:30になったら息子を起こします。
息子も今日は大変な日になる事はわかっているらしく、目覚めた瞬間からテキパキと動き始めました。
準備や朝の儀式を済ませて、4:20には小屋の外に出ました。
4:25出発です。
まだ日の出前で足元が若干暗いのでヘッデンで歩き始めました。
今日は最初からヘルメット装備です。
息子にはスリングでチェストハーネスを作り、そこからセルフビレイ用にもう1本スリングをかけ、大き目のカラビナを取り付けました。
これを鎖にかけていれば、万が一滑っても支点までの滑落で済みます。
本来は2本使って、確実なビレイをとるのですが、ここまでの重量を削る為に1本分のスリングしか用意しませんでした。
まぁ、三点支持は確実に出来るので、私が下にいれば大丈夫だろうと。
私の方は緊急時にいつでもロープが出せるように、10mロープにカラビナをかけ、いつでも出せるようにしました。
今日は二人とも最初からヘルメット装備です。
まだ暗いうちから、1番2番の鎖場へと突入です。
でもこの辺の鎖はかなり補助的で大した事はありません。
息子も体重を預ける事無くスイスイ登っていきます。
5:20 一服剣に到着しましたが、まだ日は出ません。
でもかなり明るくなって来たのでヘッデンは仕舞いました。
目の前にはドーンと前剣の姿があります。
向こうはここより200m上なのでそびえる壁のように見えます。
まだまだ序盤です、休憩する事無く次の前剣へ向けて歩みを進めます。
しばらくは普通の登山道のような道を高度を上げていきます。
ふと振り返ると、一服剣に朝日が当り赤く染まりはじめます。
やがて目の前に大岩が現れ、その横に3番の鎖場が現れました。
前剣大岩ですね。
前剣大岩を越えると、すぐに4番鎖です。
トラバースするように岩を回り込みます。
ここまでの鎖場は難なくスイスイとこなしています。
4番鎖が終わると、すぐに目の前に前剣の頂が見えてきます。
すると、前剣の頂き越しに・・・
とうとう見えた・・・
剱だ・・・
一瞬、ゾクンと体の中に何かが走ります。
以前早月尾根からたどり着けなかった山。
あの岩の絶壁がなんとも人を寄せつけない雰囲気がぷんぷん漂います。
あれ、行けるんか・・・
そこから左には、ずっと下方向に続く尾根。
早月尾根ですね。
今日はアレを下る予定です。
6:00 前剣の山頂に到着しました。
ここで休憩し、朝食もとっておく事にしました。
アルファ米ですが、全部は食べずに半分ほどだけにしておきます。
息子も同じく。
立山・・・
天候不順が無ければ、あそこも歩いてきたはずでした。
線はつながってるものの、悔しくてなりません。
今日はなんとしても剱に行きたいです。
20分ほど休憩をとったのちに再スタートします。
周りの方は軽装なのでどんどん進んでいきますが、私達は場違いに荷物が大きめです。
足も遅いので、後ろから人が来た時はどんどん先に行って貰うようにしてました。
前剱から少し進んで5番鎖。
ここでこの日初めて恐怖感を味わいました。
手前の橋は問題無かったのですが、そのあとの鎖場です。
下は結構切れ落ちている20mの大岩のトラバースです。
消して難易度が高いわけでは無いのですが、落ちれば多分死ねます。
そこを息子が、初めて私のロープを離れて自分で挑戦しようとしているのです。
今まで危ない所は必ず私が先導し、ロープでつないで確保。
が基本でした。
でも今日は違う。
私より前を歩き、あくまでセルフビレイで進んでいきます。
「だめならロープをかけるからね。」
と言ったものの、ここではどうにもなりません。
しかし息子は自分のスリングについたカラビナをカチャンと鎖にかけ、サクサクと進み始めました。
見ていて怖い。
歩き方は危なげないのですが、もし落ちたらカミさんに合わせる顔もない。
そんな恐怖心でいっぱいでした。
しかし息子はカラビナをかければ落ちないと言う安心感からか、スイスイと鎖場を通り過ぎました。
これは、行けるか?
そこから少し進むと、今度は7番鎖、平蔵の頭が現れました。
まずは岩を回り込んで10mの登り。
それから20mの下りの鎖場です。
ここもなんとかセルフビレイのみで通りきりました。
なんとか降り切った後に、岩場をトラバース。
小さな8番鎖を通過すると。。。
現れた、9番鎖。
カニのタテバイです。
心拍数が上がるのが分かります。
正直、自分は問題ありません。
息子が上がれるのか、それだけが気がかりです。
この日、この時の為に半年間ボルダリングジムに通いました。
高山市のハイマウントさん。マスターにタテバイに行けると太鼓判を押されてやってきました。
もともと三点支持はできてましたが、さらに磨きがかかり安定感も増しました。
足りないのはリーチと度胸です。
息子以上に私が緊張しています。
後ろを振り返ると平蔵の頭が大きく張り出しています。
よく見るととんでも無い所を通ってきてるな・・・
10分ほどの待ち時間があったあと、いよいよ順番が回ってきました。
行きます!
いや、正直人様に見せられたものでは無いです。
息子も私も鎖を頼りまくりです。
なによりカラビナの安全環もせずに引っ掛けてるだけ。
私もザックの重量でと息子を追わなきゃと必至で鎖に全加重がけ。
ハッキリ言って最低の登り方ですが、もうこの時は必死でした。
それでも無事に登り切ったときは嬉しくて嬉しくて。。。
カニのタテバイから狭い岩筋を上りきると、急に視界が開けました。
目の前には山頂が近くに見えます。
もう危ない所は無いんだ。。。
少し歩くと早月尾根との分岐についたので、息子共々そこにザックをデポしました。
ココまで着たら山頂までフル装備上げてやろうかと思いましたが、人が多くて邪魔になりそうなので辞めました。
5分ほど歩き・・・
8:20 剱岳山頂に到着です。
おめでとう、よく頑張った。
回りにいる大人たちよりも大きなザックを背負ってよくココまで来ました。
今日これから降りる早月尾根の先端には馬場島が見えます。
さらにずっと遠くには、日本海。
この旅の目的地です。
そして遥か遠く笠ヶ岳が見えます。
あんな所から歩いてきたんだ。
そして歩いてきた山々が全部見える。
登山道だけで道のり60kmほど。
凄いな、歩くって。
歩き続けるって、凄いな。
よくタテバイ登れたよ、息子ホントに頑張った。
かなり目頭が熱くなりました。
山頂では三角点を見ました。
三等三角点でした。
源次郎尾根です。
何気なく撮った写真ですが、この日この時この下に、知り合いがこの尾根を登ってきていたようです。
ニアミスでしたね。写ってるかな?(笑
さぁ、山頂も人でごったがえしているので、行きましょう。
今日は馬場島までの長大な尾根を下ります。
早月尾根分岐まで降りてきて、景色を見ながら残りの朝食を食べて休憩します。
よくこんな所歩いてきたな。。。
平蔵の頭なんか、ココから見るとホントに危険に見えます。
最後に見るこの景色、しっかり目に焼き付けておきます。
ありがとう北アルプス。
とじーっと向こうをよく見ると・・・
あ、槍の穂先が見える!
この旅最後に見る槍の勇姿になります。
さて、早月尾根を降ります。
こちらも最初からバンバン鎖場が続きます。
しかし、別山尾根ほどは高度感がありません。
息子もしっかりとした足取りで降りて行きます。
時間はかかりますが。
こんな感じで鎖に繋がっています。
おそらくこの辺がカニのハサミでしょうか。
ここが少し高度感がありましたね。
分岐から結構時間が経っているのですが、なかなか山頂は遠くなりません。
しかし目の前に広がる景色はなかなか綺麗です。
ようやく2800m地点、分岐から1時間半もかけて199mしか下げられませんでした。
しかしそこを過ぎると鎖場は殆どなくなります。
こんな感じで少し上り返したりしました。
やがて少し雪の残ったところを通過すると・・・
2600m地点に到着です。
ここで小休止し、ヘルメットも脱ぎました。
そこから森林限界を下回り、少し歩くとようやく・・・
11:50 早月小屋です。
分岐から3時間20分、CT+1時間です。
やっぱり、下り&岩場は人並み以上に時間がかかります。
もうこの日の行動予定としてはここで充分なのですが、今日はどうしても馬場島まで行きます。
行かなければならないのです。
カップラーメンを買ってお昼ご飯です。
少し足を休めたら、12:30に再出発します。
CTは馬場島まで3時間50分ですが、きっと息子はオーバーします。
なるべく17時前には到着したいので、休憩は短いですが先を急ぐ事にしました。
さようなら、早月小屋。
剱岳の山頂は既に雲の中です。
池塘の脇を通り・・・
そうそう、相変わらず池塘にはオオサンショウオの幼生がビッシリ居ました。
頑張って三角点です。1900mほど。
まだまだ1000mほど下げなければなりません。
この道、樹林帯に入るともう写真に撮るものは無く・・・
標高標識や。。。
立山杉ぐらいです。
でも立山杉、ホントに立派な木です。
ようやく馬場島がチラチラと見えてきますが、それでもまだまだ標高差は500mほどあります。
流石に私も息子も足がガクブルしてきて、何度も休憩をとりながら下りて行きました。
15:35、ようやく松尾平の展望台まで到着しました。
息子、ここまでに尻もち多数、派手な前転一回でした。
怪我をしなくて良かったです。
あとほんの少しの距離ですが、ここでもしっかり休憩しました。
私も膝抜け尻もち2回ありました。
そしてとうとう・・・・
16:15 山頂から2200m超の高度を下げて、登山道入口に到着しました。
この時は流石に嬉しくて一瞬目頭がアツくなりました。
新穂高から登山道で70kmほどの道が、ようやくここで終わったのです。
よく歩きました・・・
長かった・・・
有名な碑文
「試練と憧れ」
今回の旅はこの言葉が誰よりもわかると自負しています。
憧れを持って、試練を乗り越えてここまでやってきました。
そこから久しぶりの舗装路を少し歩き馬場島荘へ。
この日、ムリをしてでも馬場島まで降りてきたかった理由は・・・
ここでカミさんと娘が待っていてくれたからです。
久しぶりに会う娘は嬉しさのあまり飛びついてきましたが。。。
「お父さん、臭っ!」
と一瞬で離れてしまいました。
ゴメンよ、愛娘。
17時前に降りれて良かったです。
馬場島荘のお風呂に¥500で入れます。
久しぶりに石鹸とシャンプーで2度3度全身を洗い流し、ヒゲも剃り、家内の持ってきた服に着替えて8日ぶりにサッパリしました。
いやー、ほんっとに風呂って気持ちいい!
久しぶりにつかる湯船、最高です♪
その後は家族でBBQとキャンプです。
もうテン泊とは言わない、キャンプですよ、キャンプ。
久しぶりに肉にありつけて、ここ何日も味わえなかった「超満腹」感を堪能しました。
娘を抱っこしてビールを飲んで。
息子もお母さんに甘えまくっています。
まぁ、今日は良いでしょう。
8日間、よく頑張ったよ。
いや~、幸せ。。。
ホントに無事に山から降りて来れてよかったです。
山の神様、ありがとうございます。
この日は幸せをかみしめながら、テントでぐっすり眠れました。
ただ、1週間過ごした標高からはぐっと下がったので、
テント内も暑く感じ、シェラフには入りませんでした。
息子も私も、よく頑張った。
9日目へ続く
朝3時に目覚めました。
今日の予定では3:30起床だったのですが、やっぱり色々気にして早めにおきてしまいました。
もうパッキングは出来ている。
服を着て準備すればすぐに出れます。
予定の3:30になったら息子を起こします。
息子も今日は大変な日になる事はわかっているらしく、目覚めた瞬間からテキパキと動き始めました。
準備や朝の儀式を済ませて、4:20には小屋の外に出ました。
4:25出発です。
まだ日の出前で足元が若干暗いのでヘッデンで歩き始めました。
今日は最初からヘルメット装備です。
息子にはスリングでチェストハーネスを作り、そこからセルフビレイ用にもう1本スリングをかけ、大き目のカラビナを取り付けました。
これを鎖にかけていれば、万が一滑っても支点までの滑落で済みます。
本来は2本使って、確実なビレイをとるのですが、ここまでの重量を削る為に1本分のスリングしか用意しませんでした。
まぁ、三点支持は確実に出来るので、私が下にいれば大丈夫だろうと。
私の方は緊急時にいつでもロープが出せるように、10mロープにカラビナをかけ、いつでも出せるようにしました。
今日は二人とも最初からヘルメット装備です。
まだ暗いうちから、1番2番の鎖場へと突入です。
でもこの辺の鎖はかなり補助的で大した事はありません。
息子も体重を預ける事無くスイスイ登っていきます。
5:20 一服剣に到着しましたが、まだ日は出ません。
でもかなり明るくなって来たのでヘッデンは仕舞いました。
目の前にはドーンと前剣の姿があります。
向こうはここより200m上なのでそびえる壁のように見えます。
まだまだ序盤です、休憩する事無く次の前剣へ向けて歩みを進めます。
しばらくは普通の登山道のような道を高度を上げていきます。
ふと振り返ると、一服剣に朝日が当り赤く染まりはじめます。
やがて目の前に大岩が現れ、その横に3番の鎖場が現れました。
前剣大岩ですね。
前剣大岩を越えると、すぐに4番鎖です。
トラバースするように岩を回り込みます。
ここまでの鎖場は難なくスイスイとこなしています。
4番鎖が終わると、すぐに目の前に前剣の頂が見えてきます。
すると、前剣の頂き越しに・・・
とうとう見えた・・・
剱だ・・・
一瞬、ゾクンと体の中に何かが走ります。
以前早月尾根からたどり着けなかった山。
あの岩の絶壁がなんとも人を寄せつけない雰囲気がぷんぷん漂います。
あれ、行けるんか・・・
そこから左には、ずっと下方向に続く尾根。
早月尾根ですね。
今日はアレを下る予定です。
6:00 前剣の山頂に到着しました。
ここで休憩し、朝食もとっておく事にしました。
アルファ米ですが、全部は食べずに半分ほどだけにしておきます。
息子も同じく。
立山・・・
天候不順が無ければ、あそこも歩いてきたはずでした。
線はつながってるものの、悔しくてなりません。
今日はなんとしても剱に行きたいです。
20分ほど休憩をとったのちに再スタートします。
周りの方は軽装なのでどんどん進んでいきますが、私達は場違いに荷物が大きめです。
足も遅いので、後ろから人が来た時はどんどん先に行って貰うようにしてました。
前剱から少し進んで5番鎖。
ここでこの日初めて恐怖感を味わいました。
手前の橋は問題無かったのですが、そのあとの鎖場です。
下は結構切れ落ちている20mの大岩のトラバースです。
消して難易度が高いわけでは無いのですが、落ちれば多分死ねます。
そこを息子が、初めて私のロープを離れて自分で挑戦しようとしているのです。
今まで危ない所は必ず私が先導し、ロープでつないで確保。
が基本でした。
でも今日は違う。
私より前を歩き、あくまでセルフビレイで進んでいきます。
「だめならロープをかけるからね。」
と言ったものの、ここではどうにもなりません。
しかし息子は自分のスリングについたカラビナをカチャンと鎖にかけ、サクサクと進み始めました。
見ていて怖い。
歩き方は危なげないのですが、もし落ちたらカミさんに合わせる顔もない。
そんな恐怖心でいっぱいでした。
しかし息子はカラビナをかければ落ちないと言う安心感からか、スイスイと鎖場を通り過ぎました。
これは、行けるか?
そこから少し進むと、今度は7番鎖、平蔵の頭が現れました。
まずは岩を回り込んで10mの登り。
それから20mの下りの鎖場です。
ここもなんとかセルフビレイのみで通りきりました。
なんとか降り切った後に、岩場をトラバース。
小さな8番鎖を通過すると。。。
現れた、9番鎖。
カニのタテバイです。
心拍数が上がるのが分かります。
正直、自分は問題ありません。
息子が上がれるのか、それだけが気がかりです。
この日、この時の為に半年間ボルダリングジムに通いました。
高山市のハイマウントさん。マスターにタテバイに行けると太鼓判を押されてやってきました。
もともと三点支持はできてましたが、さらに磨きがかかり安定感も増しました。
足りないのはリーチと度胸です。
息子以上に私が緊張しています。
後ろを振り返ると平蔵の頭が大きく張り出しています。
よく見るととんでも無い所を通ってきてるな・・・
10分ほどの待ち時間があったあと、いよいよ順番が回ってきました。
行きます!
いや、正直人様に見せられたものでは無いです。
息子も私も鎖を頼りまくりです。
なによりカラビナの安全環もせずに引っ掛けてるだけ。
私もザックの重量でと息子を追わなきゃと必至で鎖に全加重がけ。
ハッキリ言って最低の登り方ですが、もうこの時は必死でした。
それでも無事に登り切ったときは嬉しくて嬉しくて。。。
カニのタテバイから狭い岩筋を上りきると、急に視界が開けました。
目の前には山頂が近くに見えます。
もう危ない所は無いんだ。。。
少し歩くと早月尾根との分岐についたので、息子共々そこにザックをデポしました。
ココまで着たら山頂までフル装備上げてやろうかと思いましたが、人が多くて邪魔になりそうなので辞めました。
5分ほど歩き・・・
8:20 剱岳山頂に到着です。
おめでとう、よく頑張った。
回りにいる大人たちよりも大きなザックを背負ってよくココまで来ました。
今日これから降りる早月尾根の先端には馬場島が見えます。
さらにずっと遠くには、日本海。
この旅の目的地です。
そして遥か遠く笠ヶ岳が見えます。
あんな所から歩いてきたんだ。
そして歩いてきた山々が全部見える。
登山道だけで道のり60kmほど。
凄いな、歩くって。
歩き続けるって、凄いな。
よくタテバイ登れたよ、息子ホントに頑張った。
かなり目頭が熱くなりました。
山頂では三角点を見ました。
三等三角点でした。
源次郎尾根です。
何気なく撮った写真ですが、この日この時この下に、知り合いがこの尾根を登ってきていたようです。
ニアミスでしたね。写ってるかな?(笑
さぁ、山頂も人でごったがえしているので、行きましょう。
今日は馬場島までの長大な尾根を下ります。
早月尾根分岐まで降りてきて、景色を見ながら残りの朝食を食べて休憩します。
よくこんな所歩いてきたな。。。
平蔵の頭なんか、ココから見るとホントに危険に見えます。
最後に見るこの景色、しっかり目に焼き付けておきます。
ありがとう北アルプス。
とじーっと向こうをよく見ると・・・
あ、槍の穂先が見える!
この旅最後に見る槍の勇姿になります。
さて、早月尾根を降ります。
こちらも最初からバンバン鎖場が続きます。
しかし、別山尾根ほどは高度感がありません。
息子もしっかりとした足取りで降りて行きます。
時間はかかりますが。
こんな感じで鎖に繋がっています。
おそらくこの辺がカニのハサミでしょうか。
ここが少し高度感がありましたね。
分岐から結構時間が経っているのですが、なかなか山頂は遠くなりません。
しかし目の前に広がる景色はなかなか綺麗です。
ようやく2800m地点、分岐から1時間半もかけて199mしか下げられませんでした。
しかしそこを過ぎると鎖場は殆どなくなります。
こんな感じで少し上り返したりしました。
やがて少し雪の残ったところを通過すると・・・
2600m地点に到着です。
ここで小休止し、ヘルメットも脱ぎました。
そこから森林限界を下回り、少し歩くとようやく・・・
11:50 早月小屋です。
分岐から3時間20分、CT+1時間です。
やっぱり、下り&岩場は人並み以上に時間がかかります。
もうこの日の行動予定としてはここで充分なのですが、今日はどうしても馬場島まで行きます。
行かなければならないのです。
カップラーメンを買ってお昼ご飯です。
少し足を休めたら、12:30に再出発します。
CTは馬場島まで3時間50分ですが、きっと息子はオーバーします。
なるべく17時前には到着したいので、休憩は短いですが先を急ぐ事にしました。
さようなら、早月小屋。
剱岳の山頂は既に雲の中です。
池塘の脇を通り・・・
そうそう、相変わらず池塘にはオオサンショウオの幼生がビッシリ居ました。
頑張って三角点です。1900mほど。
まだまだ1000mほど下げなければなりません。
この道、樹林帯に入るともう写真に撮るものは無く・・・
標高標識や。。。
立山杉ぐらいです。
でも立山杉、ホントに立派な木です。
ようやく馬場島がチラチラと見えてきますが、それでもまだまだ標高差は500mほどあります。
流石に私も息子も足がガクブルしてきて、何度も休憩をとりながら下りて行きました。
15:35、ようやく松尾平の展望台まで到着しました。
息子、ここまでに尻もち多数、派手な前転一回でした。
怪我をしなくて良かったです。
あとほんの少しの距離ですが、ここでもしっかり休憩しました。
私も膝抜け尻もち2回ありました。
そしてとうとう・・・・
16:15 山頂から2200m超の高度を下げて、登山道入口に到着しました。
この時は流石に嬉しくて一瞬目頭がアツくなりました。
新穂高から登山道で70kmほどの道が、ようやくここで終わったのです。
よく歩きました・・・
長かった・・・
有名な碑文
「試練と憧れ」
今回の旅はこの言葉が誰よりもわかると自負しています。
憧れを持って、試練を乗り越えてここまでやってきました。
そこから久しぶりの舗装路を少し歩き馬場島荘へ。
この日、ムリをしてでも馬場島まで降りてきたかった理由は・・・
ここでカミさんと娘が待っていてくれたからです。
久しぶりに会う娘は嬉しさのあまり飛びついてきましたが。。。
「お父さん、臭っ!」
と一瞬で離れてしまいました。
ゴメンよ、愛娘。
17時前に降りれて良かったです。
馬場島荘のお風呂に¥500で入れます。
久しぶりに石鹸とシャンプーで2度3度全身を洗い流し、ヒゲも剃り、家内の持ってきた服に着替えて8日ぶりにサッパリしました。
いやー、ほんっとに風呂って気持ちいい!
久しぶりにつかる湯船、最高です♪
その後は家族でBBQとキャンプです。
もうテン泊とは言わない、キャンプですよ、キャンプ。
久しぶりに肉にありつけて、ここ何日も味わえなかった「超満腹」感を堪能しました。
娘を抱っこしてビールを飲んで。
息子もお母さんに甘えまくっています。
まぁ、今日は良いでしょう。
8日間、よく頑張ったよ。
いや~、幸せ。。。
ホントに無事に山から降りて来れてよかったです。
山の神様、ありがとうございます。
この日は幸せをかみしめながら、テントでぐっすり眠れました。
ただ、1週間過ごした標高からはぐっと下がったので、
テント内も暑く感じ、シェラフには入りませんでした。
息子も私も、よく頑張った。
9日目へ続く
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この記事へのコメント
PENTAGON様
やりましたね!!!
山の空気や周りの自然や人工の音や匂いまでも感じられる山行報告、記憶の中から蘇ってきます。自分もその場に居たみたいです。
とりあえずおめでとうございます。
子供の成長を感じながらの山行って素晴らしいです!
無心で登る岩場の姿は応援したくなりました。格好なんてどうでもいいです。慎重一番!あとは身長さえ伸びれば自然に立ち位置を、今までの経験が教えてくれるでしょうからね。
うちの子が動画を見て「おれはここ行かん!」って、ガクッ!
やりましたね!!!
山の空気や周りの自然や人工の音や匂いまでも感じられる山行報告、記憶の中から蘇ってきます。自分もその場に居たみたいです。
とりあえずおめでとうございます。
子供の成長を感じながらの山行って素晴らしいです!
無心で登る岩場の姿は応援したくなりました。格好なんてどうでもいいです。慎重一番!あとは身長さえ伸びれば自然に立ち位置を、今までの経験が教えてくれるでしょうからね。
うちの子が動画を見て「おれはここ行かん!」って、ガクッ!
Posted by アサギブルー at 2015年08月26日 19:56
アサギブルーさん:
長文を読んでいただきありがとうございます。
正直、もっと文才があれば簡潔に色々伝えられるのですが・・・
無駄に長くなってしまいます。
多感な時期の子供はどんどん色々な事を吸収して行きますね。
毎日が楽しく、厳しかったです。
でも、子供の今は今しかないので、あと数年はしっかりと向き合って生きたいと思います。
御子息も、いつかカニのタテバイに・・・(^^;
長文を読んでいただきありがとうございます。
正直、もっと文才があれば簡潔に色々伝えられるのですが・・・
無駄に長くなってしまいます。
多感な時期の子供はどんどん色々な事を吸収して行きますね。
毎日が楽しく、厳しかったです。
でも、子供の今は今しかないので、あと数年はしっかりと向き合って生きたいと思います。
御子息も、いつかカニのタテバイに・・・(^^;
Posted by PENTAGON at 2015年08月27日 10:02