結局小刻みには起きて、日の出前から写真を撮ったりなんだりと、なんだかんだで早起きしてしまいました。
まだ時差に体が追従していない感じです。
さて、今日はまずモニュメント・バレーの日の出を見に行きます。
ホーガンの入り口にあった看板。
もともとナバホの言葉には文字が無いので、英語の当て字をしてますが、それでも日本人には難しい発音です。
「ヤ ッテー」は「こんにちは」ですね。
その後の言葉は忘れてしまいました。
家にようこそ・・・ だったような気もします。
適当なので信じないで下さい。
ウェインさんが迎えに来たので、寝床を片付けて出発の準備をします。
もうホーガンには戻ってきません。
多分、もう体験できないであろう夜でした。
朝焼けです。
ここから車でチョコチョコと写真を撮りながら、ジョン・フォードポイントの少し向こうまで移動します。
写真を撮るポイントで、ホテルを出発して別の車でやって来た父と母とも合流。
だんだん明るくなってきました。
ふと、ウェインさんが車を止めて写真を撮ってます。
なんと。
あまり綺麗では無いですが、奇跡の一枚が撮れました。
逆さビュート、逆さメサ。
まず、モニュメントバレーでは雨が降らない。
川も池もない。
砂漠に降る雨はすぐに蒸発する。
ですので、水溜まりも出来ない。
しかし今は冬で、しかも夜の間に降った雨のおかげで、道路に静かな水溜りが出来てました。
逆さに映るビュートやメサの写真なんて、撮れる条件が整う事は滅多に無いでしょう。
ガイドのウェインさんも、とても珍しいと言っていました。
さて、道を曲がります。
「private road」
の看板。
一般の人は立ち入れません。
入り込んで少し走ったら、ウェインさんが車を止めました。
ここがビューポイントとの事です。
後ろのMitchell Mesaには既に朝日が当たっています。
なんて素敵な朝日だろう。
Monument Valley - Spherical Image - RICOH THETA
何もない、赤い岩と荒野の真ん中で迎える日の出。
山で見るそれとはまた違う。
今回の旅、ホントに圧倒されっぱなし。。。
モニュメントバレーの赤い壁を、朝日がさらに赤く染め上げます。
ゆっくりと朝日を眺めた後は、昨日のウェルカムセンターまで移動し、朝食となります。
あぁ、久しぶりのあっさりした朝食。
嬉しい・・・
と思ったら、パンのようなケーキのようなクッキーのような…
激甘
濃い~。
もう、ブラックのコーヒーと共に一気に食します。
でも、フルーツは甘くて美味しかった!
こちらがモニュメントバレーの地図だそうですが、ウェインさん曰く、「ちょっと違う」だそうです。
確かに良く見るとポイントの名前が違うところがチラホラ。
ココでウェインさんに聞いた話。
もともとこの辺りはモニュメント・バレーとは言わずに、ナバホの地名があったそうです。
しかし、西欧人達が開拓にやってきて、ここを「モニュメント・バレー」と名付けたそうです。
色々な時代背景があり、元の名前は封印されてきましたが、ナバホネイションによるナバホの伝統を残す為に、その名前が復活し、ここにある小学校の名前はナバホの地名がつけられる事になったそうです。
『Tse'bii'nidzisgai』
日本語で発音するのはとても難しいです。
「セ ビ ンデスケ」と言ったら妹に笑われましたが、そんな感じです。
でも言葉の意味を聞いてとても感動しました。
『月と太陽が岩に反射する場所』
なるほど、表現力の勝利と言うか、モニュメント・バレーと言う名前よりしっくりきます。
ビューホテルから眺めただけですと、モニュメント・バレーで良いと思いますが、今回のように谷の奥まで入り、色々な造形を見てるとTse'bii'nidzisgaiという名前の素晴らしさが、よくわかります。
さぁ、そんなウェインさんともお別れの時間です。
ビューホテルまで戻りまして、ウェインさんは次のお仕事に向かわれました。
ホテルで父と母の部屋のチェックアウトを済ませました。
ちょっと部屋を覗かせてもらいましたが、これまた絶景。
部屋の窓から見える景色は一枚の絵葉書のようです。
目の前のビュートがダーンと見える。
これは、予約が取れない訳ですね。。。
さて、ホテルのお土産屋さんに寄ります。
ドリームキャッチャーなんかも並んでいましたが、正直綺麗に作られすぎています。
ホーガンに売ってたハンドメイドな感じのやつ、買っておけば良かったな・・・
値段もそんなに変わらなかったです。
と言うわけで、ここでは違う系統のお土産をゲットしました。
お土産屋さんの窓から見える景色がもう壮大。
開拓時代の絵画
よくこんな何もない時代に、幌馬車に家族を乗せて西へ西へと目指したものですね。
水があるかもわからない、食料があるかもわからない、夜は自然の動物達に怯え、昼は灼熱の大地である砂漠を乗り越える。
ナバホの精神も素晴らしいですが、入植者のパイオニア精神もまた素晴らしいです。
それでは、出発します。
さようなら、モニュメント・バレー
いや、Tse'bii'nidzisgai
またいつか。
モニュメント・バレーを出て少し走ると、何もない荒野に飛び出た形の山。
後で知りましたが、
『El Capitan』(エル キャピタン)と言う山です。
エルキャピタンと言えば、ヨセミテにある1000m近い一枚岩の絶壁で有名ですが、ここにもそんな名前の場所があるのですね。
スペイン語で「キャプテン 族長」と言う意味だそうです。
なるほど、酋長の飾り帽子っぽいですね。
この日は朝から運転。
息子は助手席。
私が被っているのは、先ほど買ったお土産です。
気に入ってます。うん、イケてる。
とは言うものの、やはり何もない荒野を延々と走ると、だんだん眠たくなります。
いくら何もない所好きの私でも、流石に眠くなる。
今回の旅で見た『何もない景色選手権』をやっても、間違いなくどこも優勝。
好きですよ、ハイ。
1時間ぐらい走っても、変わらぬ景色です。
運転を交代して、後ろの席で寝る事にしました。
ふと目が覚めると、なんだか大きな煙。
163号、160号、98号とモニュメントバレーから120マイル(200㎞)ほど走って来てます。
ページの街にある発電所だそうです。
この発電所、石炭火力を使った発電所だそうですが、煙を常に上げていて、かなり不評のようです。
だってこの煙、私が運転を変わる前なので子の街から100㎞手前から見えましたもん。
一枚上の写真、解像度が悪いのであれですけど、地平線、右側奥の方に白いモヤっとしたボールみたいに映ってるのがそれです。
そう、自然の景観を壊すとかで批判が集まっているそうです。
さて、ページの街についたらお昼御飯です。
『TACO BELL』と言う、メキシカンファーストフード店です。
タコスとか頂きます。
これまた美味しかったです。
私たちは一人一つのタコスでおなか一杯ですが、現地の方々は「コンボ」で一人3つぐらいペロリと平らげてしまします。
凄いなー。
注文する時も、店員さんが「それだけ?」みたいな顔をします。
さて、午後からはこの街で観光です。
ここの観光ポイント、息子はこの旅で一番楽しみにしていたそうです。
町中から、あのジープに乗せられて移動します。
雨が降ったら川になるっぽい砂地の谷を走り・・・
その一番奥にある場所。
着きました、
アンテロープ・キャニオン。
自然の造形を守るために、1日に入れる人数が制限されていて、ツアーの予約もなかなか取れない所です。
と言っても、結構な人が入っていますが・・・
そうそう、このツアーに来てからようやくアジアの大陸系の人々を見るようになってきました。
旅の前半はアジア人には全く会う事はなかったんですけどね。
先日のモニュメントバレーの、ジョンフォードポイントで日本人を見たぐらいでした。
妹曰く、まだ中国の人は「ツアー」で行ける観光しかしないとの事でした。
有名どころにバスでゾロゾロやって来る。昔の日本人もそうでしたね。
でもやがて、踏み込んだ「旅」をする人も出てくるでしょう。
さて、それでは行きましょう。
砂地の川が一気に細くなり、鉄砲水が砂岩を削りこのような地形が出来たそうです。
幅数メートル、深さは十数メートル。
上部から差し込む光がなんとも幻想的です。
そうそうこう言うのテレビで見たやつ。
あまりに綺麗すぎて言葉が出ません。
一応、ホントに来た証拠として記念写真。
ハートの形に見えます。
今まで何人のインスタを飾って来た事でしょうか。
光の当たり方が、ちょうど天使の羽に見えるらしいです。
でも、そんな羽なんか無くても娘は私の天使です。
Antelope Canyon - Spherical Image - RICOH THETA
ここの写真が、ナショナル・ジオグラフィックの表紙を飾ったとか。
と言う事で、谷間を抜けてきました。
ここから押し寄せる水が一気に流れこみ、極細渓谷を作るのですね。
抜けてきましたけど、これからジープに戻るので、また来た谷を戻って行きます。
こりゃ、確かに入場制限しないと絶対にすれ違えないです。
娘、Aくんに抱っこされてご満悦のようです。
自然光だけなのに、この幻想的な雰囲気。
はぁ~・・・
溜息しか出ない綺麗な砂岩の造形・・・
良かった…
アンテロープキャニオン、実はアッパーとロワーの二か所あります。
今回訪れたのはアッパーですね。
ロワーはもう少し冒険的な感じらしいです。
かなり惹かれますが、また次の機会に。
このアンテロープキャニオン、発見されたのは最近という事になってますが、実際にはかなり昔からナバホの子供達の遊び場だったらしく
『Tse bighanilini』と言う名前があるそうです。意味は「水が岩を流れる場所」だそうです。
ナバホの地名は「~の場所」と言うネーミングが多いですね。
という事で、記念写真。
だんだん集合写真慣れしてきました。
ここが谷の入り口です。
モンスーンの時期に、鉄砲水がここから一気に噴き出すそうです。
ちなみに、観光客が来ている時に鉄砲水が流れ込み、大勢の人が亡くなる事故がかつてあったそうです。
今の時期は大丈夫ですけど。
さて、それではジープで帰ります。
雨が降ったら川になるこの砂地の谷、「ワジ」って言いましたっけ?
町中に戻ってもジープの後ろ。
「落ちるな危険」ですね。
日本だと今の法律では許されない乗り方です。
さて、今日の観光はこれでおしまいです。
今日はページの街に泊まりますが、ホテルではありません。
一般的なアメリカの家を体験しようという事で、一軒家を借りました。
まぁ、今日本で言うなれば「民泊」でしょうか。
普通の住宅地の一角、普通の家。
おぉ!リビング広い!
台処もカウンターキッチンになってて、なんともシャレオツな。
娘、あまりの広さに嬉しくなって走り回ってます。
娘がお父さん!と近づいて走ってきました。
『リモコンてんこ盛り!』
誰が回文を言えとw
なんにせよ、ご機嫌です。
これが一般的な家庭の広さだとは・・・
確かに、昔妹が高校生の時に留学していたオレゴンの家にも遊びに行ったことがありますが、広かったな・・・
庭にはBBQグリル付きのガーデン。
火もおこせます。
外でBBQしようかと思いましたが、寒いのでやっぱり中で。
という事で、夕ご飯の買い出し。
みんな大好きウォルマート。
今宵はAくんプレゼンツ
アメリカ肉の饗宴だそうです。
家に帰ったら外で火遊び。
焚火します。
って言うか、誰だ、こんなに薪入れたの。
乾燥大地なので飛び火に気を使います。
火事にでもなったらえらいこっちゃ。
Aくん、張り切って次々に肉を焼いていきます。
『今、お義兄さんの焼いてますから!』
ん?
今、言葉を聞き違えてしまいましたね。
いやいや、冗談でも無いわー。
・・・
この日の記憶はこれ以上ありませんでした。
アンテロープキャニオンの記憶が肉に上書きされていく・・・
7日目へ続く