大地を歩こう › 2018年09月

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2018年09月29日

百高山完登! 2日目 駒津峰 甲斐駒ヶ岳

2日目
目覚ましが鳴る前から周りのテントの音で目が覚めました。
やっぱり人が多いから色々と音も出ますね。
ひそひそと、周りに気遣いながらおしゃべりする人。
まだ寝てる人もいるのに大声で馬鹿笑いしている人。
千差万別です。

後者のような人間にはなりたくないですが、それ以上に後者によって憤慨して気分を悪くするような、ゆとりの無い人にもなりたくないですね。
まぁ、色々居ますよ。と、こんな所でそれを吐き出している自分も修行が足りてませんね。


お湯を沸かしてコーヒーを飲み、朝食の準備をして息子を起こします。
今日はテントは立てっぱなしで良いので、準備が楽ですね。


朝から人でごった返している長衛小屋。
やっぱり人気のある山域は違いますね~。
トイレに寄って、5:00にスタートしました。

しばらくはヘッデンを使ってガシガシ歩きます。
昨日降りてきた道なので、なんとなく水のある場所を覚えています。
まだしっとりしている靴と靴下がこれ以上濡れないように、避けて避けて歩きます。

朝の気温の低さに負けないように、体温を上げるべくペースを早めました。


5:40
仙水峠到着です。かなり良いペースです。
日の出には間に合いませんでしたが、ギリギリ上がったところを仕留めることができました。
うん、今日も良い一日になる。

ここで準備した朝食を少し食べて、携帯の電波が入ったので天気予報の確認。
予報では今日はよく晴れそう。
明日は・・・
微妙だなー、コロコロ天気変わるし、あんまり当てにできない。
明日は北沢峠から戸台川沿いに、仙流荘まで歩く予定なのですが・・・
雨が降ったら増水しますし、渡渉ができなくなるな~。。。
まぁ、後で決めますか。

6時前に再びスタートしました。
ここから一気に駒津峰まで標高を上げます。
結構な急坂ですが、荷物が軽いのでそんなに負荷は感じませんでした。
CTは1:30ですが、実際には・・・


6:50
1時間弱で到着しました。
駒津峰山頂、頂きました!百高山99座目!
あと一つ!


あれだ!
もうここまで来るとすぐそこに見えますね。1時間圏内な感じです。


今日は天気が良いです。
昨日は全容を見ることができなかった、栗沢山からアサヨ峰までの稜線、そして向こうの鳳凰三山まではっきり見えます。
さらには右手に北岳、間ノ岳、遠く富士山も。
ここから日本の高い山1位、2位、3位(同立)が全部見える!凄いなー。

素晴らしい景色を眺めながら、朝食の残りを頬張ります。

少し休んで7時少し前、再びスタート。


少しキレッとした尾根沿いの道を行きますが、振り返ると仙丈ヶ岳。
仙丈ヶ岳は2度行ってますが、晴れた山頂に立ったことがありません。
またいつか行かねば。


7:18
六方石です。
大きな岩!圧倒的存在感ですね~。



さて、六方石を過ぎた後、甲斐駒ヶ岳へのルートは二つに分岐します。
直登ルートと巻き道ルート。
山と高原地図によると、直登ルートは落石多く、破線ルートになってます。
ちょっと難しそうですが、そちらから登ろうと思っていたのですが。。。
分岐点には特にそんな注意書きも無く、大行列が直登ルートへ向かっていました。

なんと。

学校登山っぽい人たちも登ってる。
破線ルートじゃ無かったのかな?
息子より少し年上のような中学生の団体が、先生に「絶対に落石を起こすな!」と怒られながら、最初のステップで時間がかかり、列が止まってしまってます。
いや、先生凄いな。
全責任を背負える度胸があるって事ですね。
チキンな自分だったら、全員連れて巻き道かな~。

と言うことで、なかなか列が動かないので息子と一緒にそのまま巻き道へ行くことにしました。



直登ルートの行列。



巻き道に来て良かった、こちらは殆ど人も居なく、なんとも不思議な景観です。



崩れやすい花崗岩で形成されたこの峰は、鳳凰三山のそれと々地質ですね。



滑りそうで滑らない、でも脆い感じです。
登山道を外れた所を歩くのは控えた方が良いでしょう。



さて分岐です。下りの途中に寄る予定だった摩利支天ですが、帰りは直登ルートに行こうかと思うので、行きに寄ることにします。



トラバース気味に少し下ります。
写真が 半分、青い。

コルを過ぎてから踏み跡を辿って少し登ると・・・


摩利支天に到着です。
どうやら裏側に出ちゃったみたいです。



表に回るとこんな感じです。
さすが修験の山ですね。



目の前には昨日歩いた栗沢山にアサヨ峰、さらに向こうの鳳凰三山と北岳間ノ岳、塩見岳に・・・
オールスターですね!



仙丈ヶ岳。
いつか晴れた日に行かねば。

人も居なく静かな山頂で、ゆっくりと景色を眺めることができました。
さぁ、戻ろう。



摩利支天とのコルから見た黒戸尾根。



コルから下に向かって、二本蹄の足跡がついていました。
ここは人は降りれないな~(汗



さて、山頂までの道に戻ったのでガシガシ行きます。



まだ見ちゃだめだとわかっていても振り返って見てしまいます。
ホントに今日来て良かった。
1,2,3位。





山頂手前で寄り道。
駒ヶ岳神社本宮です。

さぁいよいよ甲斐駒ヶ岳の山頂へ・・・




8:50
甲斐駒ヶ岳2967m、頂きました!
百高山、100座目!

終わった~!!
一度の縦走でいくつも歩けるから、割と楽に達成できるかと思っていたのですが・・・
奥深い山もあり、考えていたより厳しかった。。。

ちなみに、横断幕はカミさんに書いてもらいました。
日本習字師範級のカミさん、達筆です。



一等三角点
点名「甲駒ケ嶽」
こちらもいただきます。





今日は全周囲山が見えます。
遠く北アルプスから乗鞍、御岳。
中央アルプスに南アルプスの山々。
目に入る山々を眺めながら、今まで歩いた道のりや、ここから見える百高山を眺め、色々な事を回想していました。
よく歩くわ、この人。



雲海を目の前にじーっと遠くを見ている。
何を考えているのだろう。

いや、何も考えてないな(笑

まぁ、今後はこうやって背中を見ている事が多くなるだろうな。
生まれてきてくれて、ありがとう。
山へ送り出してくれているカミさん、ありがとう。

色々見ながら、のーんびり30分ほど休憩しました。

Post from RICOH THETA. #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA



さぁ、帰ろうか。



帰りは直登ルートを降りてみることにします。
ここを下る人は少ないらしく、降りる方向に人は居ませんが、登る方向にはどんどん人が来ます。
でも、登る方は割と譲ってくれるので、すんなり降りることができました。
しかし、下りは岩場になれていないと少し難しいかもですね。



10:10
駒津峰に戻りました。振り返ると甲斐駒ヶ岳。
ありがとうございました。

ここで息子と会議します。どこから帰るか。
でも即決。このまま来た道を帰るより、歩いたことが無い道を行こうと言うことになり、双子山経由で北沢峠に降りることにしました。

歩きやすい道をキュンキュン下り、再び登り返すとあっという間に双子山です。



ここで休もうかとも思ったのですが、風も無く日差しが強いので、そのまま通過することにしました。



ここから樹林帯に入るので、最後に見える栗沢山。
こんな晴れているときに、行ってみたかったな。



後は森の中をひたすら歩きます。
急な道でも無く、歩きにくくも無く。



11:30
北沢峠に到着です。
さすが連休中日です。仙流荘へ、広河原へ、バスがバンバン出ています。

さて、どうするか・・・
まだ午前中です。
今夜テン場にもう一泊して、明日戸台川沿いに歩きたい。
でも疲れてたり、雨が降っていたら朝一のバスで帰っても良いし。
しかし、現状私は体力が有り余ってる。



「今から仙丈ヶ岳登ろうか?晴れてるし」

と息子に言うと、無言で

(lll´д`ι)

こんな顔になったのでそれは止めることにしました。

でも、これからテン場でのんびりしてても流石に時間を持て余し過ぎです。かといって、これから戸台まで歩いてもな~。。。


もう、バスが空いているウチに、さっさと山を降りようか?
お腹空いたし、街でおいしいものを食べよう。




と言うことで、テン場にダッシュで戻ることにしました。
微妙な下りがランに丁度良いです。



テン場についたら即撤収です。
隣のテントの人が帰ってきて、ビールをプシュっとやってるのをヨダレを垂らしながら眺めます。
いいなー。

ここのテン場でもう一泊でも良かったんですけどね。
雰囲気は良いテン場なんですが、景色が良いわけでは無いです。
ボーッとするにはやっぱり景色が良くないと。



長衛小屋、ありがとうございました。
また来ますね。



と言うことで、バス停に戻るとすぐにバスに乗れ、13:30には仙流荘に戻れました。
仙流荘についてびっくり。
田んぼのあぜ道、小道まで凄いところまで車が止まってました。
ここまで凄いのは初めて見ます。
聞いた話では、朝一のバスも4:30から臨時便をどんどん出し、それでもバス待ち3時間の人も居たとか。
帰りのバスも、夕方は北沢峠でかなり待ったようです。
結果論ですが、この時間に降りてきて正解でしたね。

仙流荘で温泉に入り、気持ち的にゆったりとなったので、帰り道もゆったりと。のんびり高山に戻りました。


今年、急ぎ足で山を歩いて、ようやく百高山が終わりました。
今は中1の息子、部活もまだまだ本腰では無い様子です。
大きくなったとはいえ、まだまだ体が成長途中で気持ちについてきません。
でも、来年ぐらいになると、そこそこ力がつき、そうすると部活が楽しくなってくるんだろうな。
そうなると、もう一緒に山を歩く時間も少なくなってしまうような気がします。

だから、今年必死で終わらせました。


次の目標は・・・
なんとなく頭の中にイメージはあるものの、しばらくはお預けします。
しばらくは、歩きたい山を歩こうかと思ってます。

長文、読んで頂きましてありがとうございました。


  

Posted by PENTAGON at 12:00Comments(2)百高山

2018年09月28日

百高山完登! 1日目 アサヨ峰

先の連休にて、目標にしていた百高山最後のミッションをクリアするために行ってきました。
結果からいえば、目標をクリアし、無事下山に至りました。
それでは行きましょう。


21日金曜日、いつも通り夜に車を走らせます。
3連休の天気は1日目の22日午前中が雨、午後から晴れて23日は晴れ。
24日はまた暗転する・・・
と、言うことでした。しかし、ここ最近の天気予報は毎日コロコロ変わるので、予報が当たるかどうかも微妙です。
まぁ、ぐだぐだしてても仕方が無いので、小雨が降る中、伊那の仙流荘を目指しました。

丁度日付が変わる頃に仙流荘に到着しましたが、やはり天気の影響なのか、駐車場は一番近い所でも5割ほど。
すんなり止めて、即眠りに落ちました。今日は寝れる・・・


22日
朝4時半に目が覚めます。
外がガヤガヤしているので周りを見ると、車がびっしり。
トイレに行くと既にバス停には人が並んでいます。
一気に人が来たようですね。
息子を起こして準備して、そのままバス停に並びます。


登山計画書、提出。
そろそろちゃんとコンパスで出すかなー。

人が多いからか、少し早めにバスが動き始めました。
なんとか3台目に乗れました。今回のバスはありがたいことにバックドアがついていて、大型ザックは後ろに置ける、親切設計です。
大きなザックを膝に抱えたままじゃなかったので、とても助かりました。

6:20
北沢峠に到着です。
ここからはてくてく歩いて長衛小屋へ。
重たいテン泊装備のザックもわずか10分の楽々山行。
重いと言っても、水も持ってこなくて良いので、でかい割には20kgを切る余裕の軽さ。
楽ちん~♪


あっという間に長衛小屋。
ここでテント泊の受付をします。とりあえず1泊。
計画では2泊3日で、天気が良ければ3日目は戸台まで歩こうかと言うことにしていました。


午前中は雨の予報なので、今は止んでいるとはいえいつ降り出すかわからない空模様。
さっさと幕営完了です。そして朝からテン場は既にパンパン。
やっぱり早めのバスで上がってきて良かった。。。
テントを張って少し落ち着いたら、やはり雨が降り出しました。

まぁ、予報通りです。
今日の予定はアサヨ峰に行くだけなので、のんびり行きましょう。
昼からの晴れを信じて、のんびりテントで雨をやり過ごします。
まだ飲んじゃだめ!


さて、まったり2時間過ぎて9時半。
そろそろ出発します。まずは栗沢山まで約2時間のCT。
アサヨ峰に着く12時頃には晴れるんじゃないかな~。
と期待して・・・

最初の分岐を右へ行きます。


道は特に整備はされていません。
倒木を避けてあるぐらいです。
下部は雨の影響で道が川になっていました。
トレランシューズでは必死に避けて歩きます。


一部倒木祭り。
とは言っても、栗沢山の山頂までは一定の斜度でゆるっと上げていくので全く体は辛くありません。


11:00栗沢山の山頂、頂きました。
宇多田さんの山は展望無しです。
でも、山頂標の上には南アルプスの天然水が置いてありました。誰だー(笑

しかし、結局雨に降られてカッパを着込んでいます。
早く晴れないかな。。。

稜線はそこそこ風も出ていて、岩の裏に隠れるように休憩しました。
とりあえず、目標のアサヨ峰を目指しましょう。
CTは1時間ほどです。


一瞬ガスが切れて前が見えました。なんか、歩きにくそうな稜線。。。
実際、尖った岩々した道で、しかもアサヨ峰に近づけば近づくほどアップダウンが出てきます。


こんな岩をよじ登ったり。


予想していたより歩きにくいです。
おまけに天候は回復しません。
むしろ、雨も降り出し酷くなってきました。


小一時間ほど歩いて、ガスの中に見えた。
あれが山頂かな?


11:55
ということで、アサヨ峰山頂2799.4m山頂頂きました!
百高山98座目!

と言っても、息子全くテンション上がらず。
いや、わかります。


三等三角点がありました。
点名「鳳凰山」
鳳凰山って、ここだったんですね。


時間は12時。
予報通りならここの山頂で晴れ間が広がるはずだったのに・・・
この写真を撮ったあたりで、さらに風も強まり、雨が叩きつけるように降ってきました。
吹きさらしの稜線では体を隠す場所もありません。
もう泣く泣く戻り足になりました。
山頂滞在は3分ぐらいです。
防水性の無いトレランシューズの中は靴下までビッショリ。
手袋は絞れる状態になり、容赦無く雨が叩きつけます。
今まで悪天候を避けて山に登っていたので、歴代1位の雨の量。

この後は写真も無く、トボトボと栗沢山に戻りました。


ところが、栗沢山直前になると急に雨が止み、ガスが切れてきました。
とりあえず、雨が止んだだけでも嬉しいです。


12:50
栗沢山に戻り、とりあえず風の当たらないところでやっと休憩します。
腰を下ろしてゆっくりしてると・・・


おおぉぉ?
ガスがどんどん切れてきた。
振り返った道が見えます。
やっぱり結構細かいアップダウンがあったのですね

その後、ゆっくりしているとどんどん雲が切れ始めて、真上には青空も見えてきました。
予報は1時間ずれたのか~。


と言うことで、もう一度栗沢山!
先ほどおいてあった南アルプスの天然水は無くなってました。

日が出ると急に暖かくなり、カッパも脱いでしまいます。
そしてテンションも急に上がり始めます。
もう今日は雨は降らないでしょう。


あのとんがった岩、アレですね♪

やっと晴れた山頂を堪能しつつ、30分ほど休憩しました。
居合わせたお向かいのテントの方々とお話ししたり、有意義な時間でした。

さぁ、テントに帰ろう。


帰りはまっすぐ降りずに、一度仙水峠に降りることにしました。
こちらは結構急な坂ですね。
そしてガスが切れて気づきました。紅葉が始まっているのですね~。


仙水峠に降りてきた頃には、すっかり青空が見えてきました。
出発をもう1時間遅らせてたら、かなり良かったんでしょうね~。
読み間違えました。


遠く、地蔵岳のオベリスクも見えます。
すっかり晴れた!

長衛小屋は携帯の電波が入らないので、ここで翌日の天気や色々と確認等を済ませました。


仙水峠からはゆるっとした下り坂。
しかし岩々地帯で歩きやすくは無いです。
息子はこんな岩場が大好き。
あれですね「#うわまじか」ってここですかね~。


きれいな場所です♪


しばらく歩くと一気に樹林帯へ。
南アルプスらしい、苔むした森です。
気持ちよい♪


仙水小屋。
入り口にチェーンをかけて、「用も無い人は寄らないように」的な雰囲気を醸し出しています。
触らぬ神に祟り無し。通過します。
でも、テン場も小屋の場所もとてもいい雰囲気でしたよ。
いつか、テントを張ってみたいですね~。


川の流れが綺麗です♪
まさに「#水の山行ってきた」
ですね!


あの橋ですね♪


苔むした森の中を流れる清流、ほんとに不思議な空間です。
こんなに素敵な場所も、そうは無いでしょうね~。
さすが、CMに使われるだけの事はありますね。


堰堤でできる池の水が青い、ほんとに青い。
まさに水の山ですね。


水面の下に草が生えていることから、本当はもう少し水面が低いのでしょう。
雨の影響で増水しているのだと思いますが、それでもこの綺麗さ。
凄いわ~。


と言うことで、無事に周回してきました。
一部道が川になっていましたが、なんとか通過。
と言うか、既に靴はびしょびしょですし(^^;


テントに戻って乾杯です。
あとは濡れたものを干して、乾かして・・・
のんびりとした時間を過ごしました。


夕飯は釜揚げ素麺で豚汁を頂きます。
追加で海藻サラダとお麩をお好みで入れて。。。
これがなかなか美味しいのです♪


それにしても、晴れて良かった。
いよいよ明日は最後の百高山。
駒津峰と甲斐駒ヶ岳。
やっと、長い旅が一段落する。
明日はきっと晴れるはず。
ここ最近のテント生活そのまま、ヘッデンを使うこと無い時間帯に眠りに落ちました。


1日目の栗沢山とアサヨ峰。
雨だったけど、これもまた山ですね!
栗沢山はこちらの山です。

  

Posted by PENTAGON at 12:30Comments(2)百高山

2018年09月07日

日帰り水晶岳 後半


結構な風が吹きつけ初めて、ガスの水滴に体温を奪われ始めます。
動かないと寒いな、行かないと。
山頂滞在は10分足らず。

来た道を戻ります。
最初の岩場で少し気を使いますが、それを過ぎると快適な道。


7:38水晶小屋に戻りました。
小屋の前に回ってみると、なんだか雨戸も全部閉まってる…
あら?小屋閉めですか?
と、この時は思ってました。
時間に余裕も出来たので、ここで名物の力汁を戴こうと思ったのですが…
残念、また次の機会に。


ワリモ北分岐へ足を進めます。
ここの稜線、こうやって改めて見るととても素敵な道ですね。
来るときは必死過ぎて見えてなかったのかな。


晴れていたらとても素敵な景色でしょう。
なんで昨年息子と歩いた時はそう思わなかったんだろう?
寝れなかった小屋泊の赤牛ピストンでヘロヘロだったからでしょうか。。。

またいつか、歩きに来よう。


8:01ワリモ北分岐に戻りました。(写真は岩苔乗越)
ここで葛藤。
来た道を戻って鷲羽経由で三俣に戻るか、黒部源流に降りて三俣に登るか…
今日来た感じでは多分鷲羽岳へ抜ける方が楽なような気がします。
何気で、黒部源流まではここから400m下げます。そして150m上げ。
昨年経験済みでこの道を下るのは疲れると体が知ってます。
でも、来た道をそのまま戻るのも面白くないので、つらいと分かっていても降りる方を選択してしまいました。


そうと決めたら行きます。
水場。これがホントの黒部源流。黒部の川の最初の一滴・・・
でも、この日は雨の後なので、もっと上からガンガン沢から水が出ていました。


そして、沢沿いに降り始めて後悔。
道が川になってる。。。
ただでさえ歩きにくい下りの道なのに、石の頭を選んで足を置かないとハマります。
なんともトレランシューズ泣かせの道。
降りなきゃ良かったと本気で後悔しました、ウキー。


でも振り返るとアフターカーニバル。
もうこんなに降りてきてしまっている。


でも、前を見るとまたやる気を削がれます。
あれを150m上げるのか…
しかも、明らかに三俣蓮華岳は雲の中ですし、あの辺り雨が降っているのが悲しい事に見えてしまいます。
もう三俣蓮華岳も寄らなくていいや・・・

あぁ・・・

なんでしょう。
目的達成の後の敗北感。


やっと黒部源流の碑。
でも、なぜここなんでしょうね?もっと上にあっても良さそうなんですが…


もう登る足も売り切れてますが、必死に足を上げ続けます。
左足の小指と裏側、豆がつぶれているのが分かります。
痛いけどどうにもなりません。


8:56さらに雨も降ってきた。
もう泣きっ面に蜂ですね、三俣山荘の食堂に避難します。


カレーを注文しました。
疲れた体に染み込みます、ホントに美味しい。
トマトソース強めな感じでピリッと辛く、あっという間に完食してしまいました。
ごちそうさまでした。

お腹も満たされ、体も程よく休めました。


そして外に出ると、なんと雨がやんでる。
鷲羽岳が全開で見え始めてるじゃないですか。

これは良い兆候。

不思議な事に、気分が上がると力も戻ってくるような気がします。
荷物をまとめて三俣峠へ登り返し始めると・・・


めっちゃ晴れてきた。
これを目の前にして、三俣蓮華岳に登らない理由は無いです。
時間にも余裕がありますし、せっかくだから回って帰ろう。


双六方面のカールも綺麗に見えて来ましたね。
売り切れた登る足も、少し帰って来たみたいです。
気分は上場♪


9:45三俣峠。
ここから巻道を帰る気満々だったのに、もう足が勝手に三俣蓮華へ。


9:56 三俣蓮華岳、頂きました!


三種の三角点も久しぶり!


振り返ると、鷲羽岳から水晶岳までの稜線。
いやー、綺麗だな~。水晶岳も晴れて来たな。
まぁタイミングですよね、こういうのは。
水晶の大分上に大きな笠雲があるの、分かりますか?
あれ、薬師岳で出来た傘があそこまで流されてきてるんです。


遠く、赤牛岳とその向こうに立山に劔。


薬師岳と北薬師岳。


富山湾まで見えますね。


反対側は大天井岳。



自分で言うのもなんですが、見えている稜線は殆ど歩いている。凄いな。。。息子、よく歩いた。

これだけ晴れてくると、きっと双六岳の山頂も素敵でしょうね。
せっかく稜線に上がった事ですし、このまま双六岳も回っていきましょう。

一旦下り、また登り返すと丸山です。


丸山からみる黒部五郎岳。
見事なカールですね、綺麗だ~。


振り返ると、鷲羽から水晶、赤牛へと続く稜線。
もう最高♪

ウキウキで双六岳へ足を進めました。



が、しかし…


中道分岐…
またガスが…


これはもう山頂の景色もダメかな?
素直に中道を帰ろうか…

いや、急にガスるという事は、急に晴れるかもしれない。

ほんの少しの希望を胸に、双六岳へ登り返す事にしました。


10:41 うっ…
双六岳山頂、頂きました。
涙が止まりません。

ガスガスですやん…


ホントは、ココにバーンと槍が・・・

まぁ、また来るさ。

しかし、もう足の裏が限界かも。
靴下を脱いで見てみると、なんとも可哀そうな事になってます。
小指の先と足の裏、すまん。
私のわがままに付き合ってくれてありがとう。

ファーストエイドのキットを出して、絆創膏とテーピングで少しでも衝撃を和らげるように処置しました。
これが少し効いたのか、この後痛みは大分薄れました。

さて帰りますか。


それでも、双六のこの稜線は好きですね。
この優しい感じがとてもいい雰囲気です。
この道、すきだなぁ~。


11:07
巻道分岐に帰ってきました。
朝ココを通ってから7時間近くが経った訳ですね。
でも、時間に余裕もあるので良い感じです。
ここまで来れれば、どうあがいても明るいうちに新穂高に着きます。

私のモットーは、「暗いうちに出発しても下山は明るいうち」です。
暗いうちに出発して何かあっても、すぐに明るくなるのでなんとかなります。助けも来てくれます。
でも、だんだん暗くなってから何かあると、次に明るくなるまでの時間が長いのと、そこまで誰にも助けに来てもらえません。
致命的です。
だから山は、早出早着なんですよね。
日が沈んでまで動き続けるリスクは避けたい訳です。

11:15
さて、双六小屋に戻ると…


あら?
小屋閉まってる?

恐る恐る入り口から入ってみると、普通に受付にお姉さんが居ました。
「あー、台風が来てるんで、全部外張りしてるんです。」

なるほど、そうか!
そして気付きます、水晶小屋もそうだったのでしょうね。

ここでコーラチャージ。
甘い炭酸飲料が体に染みわたります。
んまい。

少し休憩もして、11:30に小屋を出発しました。


双六のテン場。
明日台風が来るのに、テントが2張り。
午前中までは持つような予報でしたが…
猛者ですな。


水晶岳、鷲羽岳、双六小屋、ありがとうございました、また来ますね。

あとは修行の道。
双六小屋の時点でこの日の歩行距離は30㎞
累積標高差もかなりのものです。
もう太ももはパンパン。足の裏も処置したとはいいえ、下りになるとなかなかの衝撃を受けます。


12:10
弓折乗越
この辺りで再びガスが切れ始めました。
また晴れそうですね、今日は目まぐるしく天気が変わります。


それでも槍はまだ雲の中ですが、鏡平まで降りれば見れるかな?


12:30
鏡平山荘まで降りてきました。
この時点で日も差し始め、足の負担も大きかったので少し休憩をとることにしました。


名物かき氷を頂きます。
美味し~♪
疲れた体に糖分が浸透して行くのがよくわかります。
今体はスポンジ状態。吸収率が高いです。
もう一杯行きたかったけど、止めておきましょう。


そして荷物をまとめて出発しようとしたのですが、鏡池でまたストップ。
槍が出そう。少し待ってみる事にしました。

結局槍は出てこなかったのですが、待ちながらここで休憩していた御夫婦としばらく歓談しました。
とても優しそうな旦那様に、奥様。話をしていてとても気持ちの良いお二人でした。
夫婦で山をのんびり歩くっての、良いですね。素敵な御夫婦でした。
またどこかの山でお会いできればと思います。

さて、ガンガン降りましょう。


熊のおどり場。
ココを通るときは必ず熊踊りをしなければなりません。
誰も居ないのを良い事に今日も激しく踊るのですが、勿論一人です。
撮ってくれる人も居ないので、お見せできないのが残念です。


13:19シシウドヶ原
いやー、まだあそこまで降りるんだ、厳しいな~。


13:41
ガシガシ歩いて秩父沢出合まで降りてきました。
やっぱり少し水量がありますね。
そして水が綺麗♪


飛び込みたくなる衝動に駆られますが、我慢します。
気持ち良いだろうな~…


そして、ここで最後に槍の穂先が雲の中から一瞬見えました。
良かった、最後に現れた。
やっぱり、槍の存在感は圧倒的ですね、カッコいい。


14:08
ようやく小池新道の入り口です。
登山道は終了、後は8㎞ほどの林道歩きです。

足が・・・

もう…



14:18
重い足を強引に回して、わさび平の小屋に辿り着きました。
暗い時には気付きませんでした、小屋が新しくなってる。。。
あれ?去年もそうだったのかな?


そしてコレ。
もう止まりませんでした。
きゅうり、トマト、塩、三種の神器が揃ってます。もう手にしない訳が無い。
美味しかった。。。


さて、後は林道を行きます。
緩い下りが続くので、もう重力に体重を預けます。
体が勝手に前に進むので、それに逆らわないようにすると惰性で走る訳です。
ヘタに抑えると、逆に足がつらい。。。


15:08
そしてゲートを越えた後、この橋を渡るときのこの景色。
これを見ると帰ってきた感が半端無いですね。
長かった~。
新穂高の登山者センターに下山届を出して、後は車に戻ります。


最後は安定のひがくの湯。
もう説明は要りませんね!

なんとか、これでこの三ヶ月の締めをするには最高の登山が出来ました。
これでまた明日から、適当に頑張れる。
頑張れると言うか、自信がつきました。

歩行距離46㎞ 累積標高差±3460m
15時間20分
よく歩きました。明日の自分、自信持っていいぞ!

いつも一緒にいる息子が居ない一人での山でしたが、たまには良いですね。
自分と向き合う時間が長く、色々考えたり無心になれる時間が多いです。
息子も忙しくなってきているようですし、今後はソロが増えるかな…?

さぁ、次はいよいよ、百高山の締めですね。

今月の後半の連休、南アルプスへ行きますか!



  

Posted by PENTAGON at 08:00Comments(2)トレーニングトレラン

2018年09月06日

日帰り水晶岳 前半

今年もやって参りました、一年に一度の挑戦的なソロ登山。
昨年は槍ヶ岳・双六岳1Dayでした。
その時、帰り道にお話ししていた方は日帰りで鷲羽岳、もう一人は水晶岳と聞いていたので、そのプランがずっと頭に残っていました。

昨年はなんのトレーニングもせずに臨みましたが、今年はこっそりとトレーニングに励んで来ていました。
実はこの3か月、ランニングや千段階段を淡々とこなし、体重は8㎏落ちました。あともう少しの間だけ、息子には負けたくないので(^^;

という事で、始めましょう。


9月2日夜、夕飯が終わってから車を走らせます。
新穂高の深山荘前の登山者駐車場。
前日大雨だったことと、後に台風が来る予報のおかげか、駐車場には充分な空きがあり最上段に停める事ができました。
先に出発の準備を済ませてから、仮眠を取ることにしました。
多分、1時間半は寝れたと思います。
11:30に目覚ましが鳴り、そこから体を目覚めさせます。

「日帰り」が目的なので、0:00まで体をほぐし、準備運動をしたのち、時計を確認。

9月3日
0:01スタートです。


新穂高登山者センター。
ここで登山計画書を提出し、トイレに寄り0:09出発です。


今日は左俣林道。
この時間に歩くなら、右俣より断然左俣です。
あっちはこの時間に出ると、丁度2時頃に滝谷を通るんですよね~。
怖いですもん。


さて、夜なので特に撮るものも無く足を進めます。
0:56ワサビ平小屋。


1:08小池真道の入り口に来ました。
ここまではゆるっとした林道なのですが、私はもともとランナー系の体格では無いので走るのは苦手です。
平坦っぽい所だけ小走りで来ました。ガチっとは走れません。


1:33秩父沢出合
登山道に入れば本領発揮。ガシガシ登りますよ~。
暗いので良く分からないですが、少し水量は多いように感じます。
やっぱり前日の雨が効いてるかな?

その後は、脇目も振らず、休みもせずひたすら高度を稼ぎます。


2:34ここで初めて足を停めました。
一瞬、ため息がでてしまいましたよ、夜の鏡池。
月明かりにぼんやり見えるに槍ヶ岳と、それが綺麗に映る池。とても綺麗でした。
あ~、なんて素敵な景色だろう。
これを綺麗に写真に収める技術があれば…
スマホのカメラではこれが限界です。
見た景色をお伝え出来ずに残念です。



という事で、写真を撮ったりなんだりで2:39に鏡平小屋です。
そのまま通過。

一気に稜線まで高度を上げて弓折乗越で3:10でした。
新穂高からの標高差は1500mを越えているので、500m/hで標高を稼いでいます。
ここまで水平距離も11キロを越えているので、なかなかのペースです。

ここからは軽いアップダウンを行くだけなので、そこそこ快走で足を進める事が出来ました。

写真を撮り忘れましたが、3:50に双六小屋に到着です。
テントを撤収して出発する人や、小屋から出てくる人が居ました。
そうですね、そんな時間ですね。
ここで一旦ザックを下ろしてハイドレーションの中の水の量を確認します。まだ十分なので補充はしなくて良さそうです。

しかし、新穂高から双六の小屋まで4時間切るとは、この年なりに進化しましたね。トレーニングの成果が出てます。

おにぎりを一つ頬張り、3:55に出発。


4:03巻道分岐です。
季節も秋近く、日の出も遅いので双六岳に上がるのは止めにします。
このまま巻道を通って一気に三俣まで行きましょう。


三俣峠直前、東の空が明るんで来ました。
綺麗ですね~、このまま今日は晴れると良いな。


三俣峠から下って来る途中。
目の前の景色に思わず足を止めてしまいました。
凄く美しいと言う訳では無いのですが、山荘の明かりと薄暗い鷲羽岳が、一日の始まる感じを漂わせてなんとも言えない雰囲気でした。
なんとなく、まな板で大根を切るトントンと言う音、くつくつ言う鍋から漂う味噌汁の香り、そんなイメージが頭の中に広がりました。
いいですね、この雰囲気。とても素敵です。


5:10三俣山荘に到着です。
先ほどの勝手なイメージでお腹がグルグル言い出したので、またここでおにぎりを一つ頬張ります。
大分ギリギリで来てるので、鷲羽の登りの前に足を少しほぐします。

5分ほど休んで一気に登ります。
駆ける事は出来ませんが、それなりに最大速で足を上げ続けます。


5:55
鷲羽岳山頂、頂きました。
凄い、新穂高から6時間切れた。おじさんまだ頑張れる。
頑張らなくてもいいけど、頑張ればやれるもんですね。


鷲羽池の向こうに大天井、常念、槍ヶ岳に穂高まで、綺麗だな~。


西釜尾根に双六、笠ヶ岳まで見えます。


こちらは同じく昨年息子と歩いた裏銀座。
野口五郎岳と南真砂岳。


そしてこれから行く水晶岳。
さぁ、ゆっくりもしていられない、写真を撮ったら即出発です。


6:18ワリモ岳通過。
山頂は通らないんですね、知らなかったです。


6:26ワリモ北分岐です。
ようやく水晶岳が射程圏内に入ってきた感じです。


ワリモ北分岐から水晶小屋までの道は、歩きやすい道です。
ほぼ水平移動なので、負担が軽くて快速です。


湯俣川に日が射します、これも幻想的で綺麗ですね~。


6:45水晶小屋の裏の分岐に到着しました。
残念なことに水晶岳の山頂はガスの中に入ってきましたね・・・

小屋はとりあえず通過して、水晶岳に向かいますが、運動量が半端ないのかとにかくお腹が減ります。
ここでもう一つおにぎりを頬張ります。
あと少し、行きましょう!

そこからはさらに吹き付ける風も強くなり、ガスも濃くなってきましたが快速で行きます。


7:10水晶岳山頂頂きました!
新穂高から22.5㎞ 7時間10分 腹減った!自分よく頑張ったわ~。

CTだと新穂高から13時間20分なので、かなり良いペースで来ました。
正直、自分の中のUターンリミットの10時ギリギリになるんじゃ無いかと思ってましたが…
ガスガスで何も見えないですが、ここ最近のトレーニングの成果が出て自分的に満足しています。

消費カロリーが多かったのか、お腹がグルグル泣きっぱなしです、最後のおにぎりを頬張ります。
あとは行動食でなんとかしましょう。
消化が進むように、ゆっくりと米をかみしめます。

モグモグしながら色々な事が頭をよぎりました。
この3ヶ月、自分と向き合う良い時間でした。
結局答えは出なかったんですけど、もうちょっと楽に生きて良い。命いっぱい頑張る必要性は無い。
やるときにやれれば、それで良いんだな、と思えるようになりました。
いや、答えは足元にあったんだ、気付きたく無かったんでしょう。

こうやって山に送り出してくれるカミさんにも、ホントにありがたいと思わないと。
思っていても行動で示さないと駄目なんだろうけど、それは次のステップですね。
子供達にも心配かけていただろうな。。。



さぁ、帰ろう。




後半へ続く


  

Posted by PENTAGON at 08:00Comments(2)トレーニングトレラン