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2016年08月22日

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編

8月8日


5日目
早出するために2時に起きて準備をしようとしたのですが・・・
外は凄い風でした。
一度トイレに外に出たりしましたが、やっぱり少し強すぎです。
小河内岳の裏側は少し岩場を行きますので、足元が見えない時にこの風は危険だろうと判断しました。
3時に出ると言っていたので、3時ごろに小屋番さんが起きてきてくれました。
風が強いので出発を遅らせると伝えると、「うん、それが良いよ。」
と、また部屋に戻っていかれました。
優しい方です。

しばらく待って4時過ぎ、風が少し収まってきました。
外も明るみ始めたので、息子を起こして準備します。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
それでも多少風があったので、体温を奪われないようにカッパを着込みました。
出発しようとすると、小屋番さん、昨日のご夫婦、小屋の皆さん全員で見送って頂けました。
「頑張って太平洋まで行ってくれよ!」
と、力強い応援を頂きました。
ホントにありがとうございます!

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
5:00
最後にもう一度山頂で。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
まだ夜明け前で空気が澄んでいます。
風も強いので良く見えますね。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
富士山が雲海の中に綺麗です。

さぁ、それじゃ行こうか。と息子に声をかけます。

この時、まだ小屋の前では小屋番さんと旦那さんが見守っててくれました。
息子も何かを感じたのか、大きな声で
「行って来ます!」
と大きな声で手を振ってから、小河内岳の裏側へと姿を消していきました。
いいね、人との出会いを大切にしよう。

この後は高山裏の避難小屋までアップダウンしつつ高度を下げた横移動です。
途中、大日影山と板屋岳を通過します。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
朝日の当る荒川三山を左手に見ながら、樹林帯を行きます。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
6:30
しばらく歩いて後ろを振り返ると結構高度を下げてきたのが分かります。
最終的に高山裏避難小屋は2400m付近なので、400mは下げますね。

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目の前には無駄に大きい三山が見えます。
大沢岳、中盛丸山、兔岳。
いずれも100高山です。
大沢岳はまだ踏んでいません。

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板屋岳は山頂 間近を通りますが、展望はありません。
少しだけスペースがあるので、軽く休憩します。

ここまでのペースも順調です。
さすがに昨日ゆっくり休んだので、息子も私も体の調子は絶好調になっていました。
何より気持ちがとても軽いです。

「お父さん、僕、またあそこの小屋に泊まりたいな。
今度はお母さんと妹も一緒に行きたいな。」

と息子。
同じ事考えてるね、いつか実現しよう。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
高山裏避難小屋への道は、所々崩落地のキワを通ります。
このあたり一帯がそうですが、西側斜面の崩落がかなり酷いです。
一コケ終了ポイントが多数あるので、かなり気を使います。
TJARの選手の人達は、こんな所を深夜でも走るんですね。
凄いな~。。。

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7:50
ほぼCT通りに高山裏避難小屋に到着しました。
お花畑はあってなかなか綺麗な所です。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
そして目の前にそびえる荒川前岳。
600mの沢登り。覚悟してかかりましょう。

小屋の前に休憩場所があったので、小屋番さんに声をかけて休憩させて頂きます。
こちらもなかなか特色のある小屋番さんのようですね。

登りに備えて少し食事もとり、ゆっくり休憩させてもらいました。
出立する時は再び小屋番さんに声をかけます。

姿は出さないですが、
「おーぃ、気をつけて行けよ~」
と声をかけてくれます。
ありがとうございます。

さて行きましょう

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8:15
うーん、独特な小屋番さんさがいらっしゃる所は、「ウケツケ」がカタカナなのでしょうか・・・?


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30分ほど歩くと水場です。
小屋の水場より汲むのが楽だとかなんとか話を聞きます。

この後も細かいアップダウンをしつつトラバース気味に高度を上げるた後に、樹林帯の登りをひたすら登りました。
時間的には1時間半でしょうか?

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
10:05
森林限界を越えた沢に出ました。
いやー、まだまだ上げるな~。

少し休憩して、心と体を落ち着かせてから登ります。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
この登っても登っても高度を上げてる感じがしないのは、富士山や白出沢に似てますね。
でも後ろを見るとちゃんと高度を上げているのがわかります。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
でも上を見るとやっぱりがっかりします・・・Orz

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
そんなときは後ろ(笑
はぁ~。。。
癒されます♪

そんなこんなを繰り返していると、道は尾根に出ます。
尾根に出る直前にすれ違ったご夫婦に
「この先は滑る上に切れ落ちてるので気をつけて下さいね~」
と注意を頂きました。
ありがとうございます。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
と、注意を頂いたもののホントに危険です。
ここの崩落はかなり進んでいます。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
登山道自体が崩落して無くなっている所もありますし、さらに登山道の下もハングしてえぐれている所もあります。
これは怖い。
さっさと通過しましょう。
と、後ろを見ると息子はプルプルしながら進んでいます。
少し悪い癖ですね。
怖いと腰が引けて、余計に足元が滑るのに・・・
活を入れながら背筋を伸ばさせます。
余計に危ないですからね。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
11:30
荒川前岳到着です。
3年ぶり、2度目!
でも50年もしたら、この山頂は崩落で無くなってしまうんじゃないでしょうか・・・
ザックも下ろさずに写真だけ撮ったらすぐに移動です。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
こちらが荒川小屋への下降点です。
このまま降りても良いのですが、折角なので荒川中岳へ寄る事にします。
ザックをデポります。

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荒川中岳!
鳳凰三山から縦走してきた単独行のお姉さんに撮って頂きました。
ありがとうございます!
この後何日かお会いする事になります。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
そしてこちらが目的。
三等三角点!
点名「荒川岳」
頂きました~♪

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
今まで歩いてきた道!
遠くから来ましたね。
そして小河内小屋の皆様、ありがとうございました。

デポ地まで戻って小休止して、それから荒川小屋に下る事にします。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
お花畑の柵の中へ入ります。
あの扉を開けたくて、息子はいきなり先行します。
何が彼のハートをキャッチするのか、イマイチ掴みにくい所があります。。。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
さらに少し歩くと、あっという間に荒川小屋に到着しました。

13:00
荒川小屋に到着です。
ここでまた息子と作戦会議です。
蝙蝠岳に寄った4時間がまだ回収できていません。
寄らなかった場合の予定では、この日は百間洞に居るはずでした。
丁度ここから5時間ほどの所です。
遅れ自体は回収できるように、山の後半をゆるり行程にしてはあったのですが、このまま行くと後半の移動距離が多くなります。
出来れば今日は赤石避難小屋まで行きたいです。

・・・でも
もう二日もテントを張っていない。。。
折角テン泊装備で山を歩いているのに、3日連続小屋なんてありえないです。
ならば今から百間洞?
流石にムリですね。
と言う事で、今日は荒川小屋で幕営する事にしました。
まぁ体を休めたほうがこの先歩けるでしょう。

【北沢峠から太平洋】 5日目 日本アルプス横断の旅 完結編
と言う事で、テントです。
テン場は学生さんやらがとても多く、私達がテントを張った後も続々とテントが増えていき、やがていっぱいになってしまいまいた。
流石に百名山に挟まれたテン場は大人気ですね。

ここのテン場は水が豊富なので、水場で体を拭いてすっきりさせます。
やっぱり水があるって素晴らしいですね。
水のありがたみを重々教えて頂きました。

さぁ、こうなると残りの日程のTTK(※Toranu Tanukino Kawazanyou)です。
天気予報を見ると、台風は太平洋側を北上して殆ど影響が無さそうです。
どこかで停滞をしないといけないかと思いましたが、その心配は無いようです。
旅の最終日を14日に設定したのは、TJARの最終日が14日だから。
そして我々の足だと、下山してからのロード90kmほどは、三日はかかる計算です。
とすると山を降りる日は11日・・・

と言う事は、残り二日で茶臼小屋まで行かなければなりません。
行けるのか?
今の体力なら、なんとか。
後は天気次第ですけども・・・

地図を見ながら距離と時間の計算をひたすらします。
うん、なんとか行けそうです。
ここで山を降りる日を確定して、赤石温泉の白樺荘、そして井川自然の家を予約しました。
これで後ろが決まったので、意地でも日程通りに歩かないとですね!

息子にも活を入れて夕ご飯を食べました。

その後は恒例、イビキをかく机になって、お休みなさい。


明日もがんばって歩こう!


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この記事へのコメント
二人の濃厚な時間!素敵です!
強力な自然塾!ですね!
うふっ!うるる!
リオに負けない感動いただいてます!
 
Posted by 名古屋登山(放浪)好きばーば at 2016年08月22日 19:13
出逢いは人を大きくする!
親子にはその機会が多く与えられるようです。
昔、石垣島で珊瑚礁の防空壕を探検した時、知り合って数日一緒に過ごした人に、半年後、羅臼岳を登るために居た岩尾別のテン場で再会しました。素直に色んな話をした覚えがあります。再会でも一期一会の気持ちは大切だと今は思っています。

しかし、崩壊現場は写真からも伝わってきますが、油断して無くても何が起きるか判らないですからね・・・

TTKはこの先どうなっていくのでしょうか?
Posted by アサギブルー at 2016年08月22日 21:35
名古屋の山好きさん:
山は人を育てると思います。
危ないから山へ行ってはいけないと言う人も居ますが、町で交通事故に合う確立より低いんですよね。
山は壁の無い教室かと思います♪
Posted by PENTAGON PENTAGON at 2016年08月22日 22:33
アサギブルーさん:

それは素敵な出合ですね!
やっぱり旅人だったのですね~。
私も島巡りとかしてみたいです。
その探検記や登山記、とても気になりますね。

TTKは・・・
今回は順調でしたよ(笑
Posted by PENTAGON PENTAGON at 2016年08月22日 23:23
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